「眠育」を通して、子どもたちの心身の発達を守る 「眠育」を通して、子どもたちの心身の発達を守る

第3回日本眠育推進協議会シンポジウム

日時 2019年12月26日(木)13時~(予定)
場所 キャンパスプラザ京都

詳しくはこちら

本シンポジウムは盛会のうちに終了いたしました。
ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係者の
皆様に深く感謝申し上げます。

日本眠育推進協議会
創設への提言

十分な夜間睡眠と適切な生活リズムが
子どもたちの心身の発達を守る

睡眠・覚醒
生活リズムと心身の発達

日本における子どもたちの心身の発達がこれほど懸念される時代はかつてありませんでした。
子どもたちが発達の過程で「発達障害」と診断される率は約6%、地域によっては8〜10数%に及びます。
このように、「発達障害」の子どもたちが本当に日本に溢れているのでしょうか。
もしそうだとすると、これまでの私たちの取り組みを見直していく必要があると思われます。

過去の、私たちの取り組みは、いかに診断するかと言う点に力がそそがれ、根本的な原因究明への探求が十分ではありませんでした。この、二十数年、私たちは子どもたちの「睡眠と覚醒リズム」すなわち「生活リズムの乱れ」が発達障害と同様の症状をもたらすことに注目し、診療を続けてきました。

最近の調査(2012年から全国に展開するA社保育園児0〜6歳の7000名以上の生活リズム調査)によると、恐らく乳幼児期からの「生活リズムの形成」、言い換えれば「体内時計の形成」が心身の発達に極めて密接に関連しており、不規則なあるいは著しい夜更かし型の乳幼児に発達障害が多発することが明らかになってきました。
同様の観察結果が富山大学の研究においても報告されています。

更に、臨床的には多くの発達障害児が睡眠障害・生活リズム混乱を伴っており、生活リズム適正化などの対応が行われるとその中核症状に大きな改善が得られることが分かってきたのです。

一方、日本における、子どもたちの不登校率は小学生で0.5%弱、中学生で2.76%(2014年)と報告されています。
日本だけではなく、世界の先進国を中心として不登校は問題となっており、その背景として情緒的、心理的な解釈が主流を占めてきました。

しかし、近年その背景として「体内時計のずれに伴う概日リズム睡眠障害」がその主な原因として確立されつつあります。
不登校の臨床的観察及び医学生理学的な検討によれば、体内時計の混乱に伴う、自律神経機能・体温調節・ホルモン分泌障害、糖代謝異常に伴う易疲労性・免疫機能低下・睡眠覚醒リズムの昼夜逆転化、など生命維持機能としての生体リズムに乱れが生じた結果として不登校状態が起こることが明らかになっています。

すなわち文科省が平成26年に報告した「朝起きできないなどの生活リズムの乱れ」に伴う不登校(34%で第二位)がそれに当たります。
注目すべきは、これらの不登校生徒・学生たちの60 - 70%が「発達障害」と診断される事実です。

眠育とその効果

2007年、私たちの仮説「子どもたちの十分な夜間睡眠を確保し、規則的な生活リズムを保持することで不登校発生を予防できる」を実証するために福井県、若狭町のM小学校、において「眠育」事業を開始しました。
眠育プログラムは、それぞれ特色がありますが、

  1. 生徒たちの14日間の睡眠票記録による生活リズム実態調査
  2. 小児科医および経験を積んだ教師による生活リズムの評価〈A:問題ない生活リズム〜D:直ちに生活リズム修正の必要〉
  3. 研修を積んだ教師や医師によるD判定者への三者面談による生活リズム修正への提言
  4. 教師及び医師による保護者への講演による眠育への知識育成
  5. 教師による児童への生活リズム形成の重要性についての45分授業

などが主なプログラムです。
この眠育以外の取り組みはありませんでした。
結果、M小学校卒業生が進学していくK-中学校における不登校の発生率を著明に減らすことに成功しました。(論文投稿中)
この取り組みは二つの結論をもたらしています。

  1. 不登校の多くが体内時計の乱れ、生活リズムの乱れにより起こるものであることが証明された。
  2. 小学校低学年からの眠育事業の取り組みは将来の不登校発生を予防できる。

の二点が証明されたと考えています。

2009年から青森県、三戸町の小中一貫校、2015年から堺市M-中学校などで、「眠育」への取り組みが始まり、眠育プログラムに保護者の会、PTA、行政の参加による「眠育」の重要性についての広報、地域社会の参加による子どもたちの見守りが加わって、子どもたちの心身の健康増進に貢献する大きな役割を果たしております。

体内時計の形成の不全は将来、発達障害、不登校、ひきこもり、などの問題の素因となるだけではなく、青年期のうつ、糖尿病などの成人代謝性疾患、心臓病や認知症にもつながる生涯を通した様々な問題の大きな素因となることが明らかになってきました。

これからの眠育

眠育事業は、近い将来の子どもたちの学校社会生活のトラブルを未然に防ぐだけではなく将来にわたる心身の健康維持につながる、ご家族にとっても社会にとっても、有意義で幸せをもたらす取り組みになると考えられます。

「眠育」普及は個人個人でできることから始めるのも大事ですが、それだけでは十分ではなく、日本の社会全体の参加、意識の向上が必要です。
まずは、子どもたちの心身の成長を見守る仕事にかかわる皆様にご参集いただくことが何よりも大事なことと思われます。

これらに伴い、既に「眠育」事業を開始している地域の皆様とこれから開始を考慮しておられる地域の皆様の情報交換の場が必要であると考えるに至りました。
医療関係者、幼稚園・保育園から高校までの養護教育を含む教育及びその施設関係者、行政担当者、保護者、PTA、地域社会、などすべての関係者のご参加が必要不可欠と考えます。
それぞれのお考え、眠育事業への特色、取り組みの在り方、成果、などの情報を持ち寄り交換することでより良い効果的な取り組みを目指そうとするものです。

日本眠育推進協議会の取り組みを皆様には深くご理解いただき、ご賛同を賜り、広く社会に還元するための「眠育」を推進していただく一員としてご参集いただきたくお願いとお誘いを申し上げます。

協議会概要

名称 日本眠育推進協議会(当面は任意団体)
事業目的
  1. 研究発表、講演会などを通して社会への情報発信
  2. 眠育のための調査研究、技術・システム開発を推進するグループの活動支援
  3. 眠育に関連する医療情報ネットワークの構築
  4. 妊娠期から就学前幼児までの保護者、関係者(保健師、保育、幼稚園等)への眠育の普及
  5. 小・中学校における「眠育授業」の導入
  6. その他、本会の目的達成に必要な諸事業
役員他

→理事名簿

事務局 アートチャイルドケア株式会社内
〒140-0002 東京都品川区東品川1-3-10 アートコーポレーション 東京オフィス3F
電話 03-5461-0123 mail info@min-iku-suishin.org 担当 田中、高橋
発足 平成29年12月26日(火)
このページの先頭へ